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第20回 「医療関係者の集い」開催報告

第20回 「医療関係者の集い」開催報告

研修会担当理事 渡邊  仁(昭53・化)

 2010年3月6日(土)午後2時より理学部Ⅴ号館1階5104教室において「医療関係者の集い」が開催されました。
 20回を迎えた今回は、長く臨床検査課程の運営に携わって頂いた、戎野棟一先生の最終講義の日と重なることになりました。幸い、化学科のご了承も頂けましたので、ご一緒させて頂き<講演会>、<戎野棟一先生 最終講義>、<懇親会>の3部構成での開催となりました。
 講演会には、卒業生58名、準会員(主に3年生)20人が出席しました。戎野先生の最終講義には、さらに40名以上の参加があり、懇親会には100名以上が出席し、あちらこちらのグループで大きな笑い声が上がり、和気合い合い楽しいひと時を過ごしました。
第20回 「医療関係者の集い」
 講演会は、東邦大学産学連携センターの金井哲夫氏(平成5年化学科卒)による「私の考えるこれからの臨床検査技師」、本学理学部臨床検査課程の伊藤展枝氏(昭和53年化学科卒)から「20年を振り返って」と題して講演して頂きました。
 金井氏は、臨床検査技師の高付加価値とは何か。技術者として何が必要か。別の学問の視点が必要ではないのか。自問し、探求を始め、経営・経済の知識が皆無に等しいことに着目した。東京農工大学専門職大学院(技術経営)に入学され、MOT(Management of Technology)を研鑚されました。今後、臨床検査技師は①研究・検討分野、②技術(経営)企画分野、③医療安全分野に活動を広げ、活躍することが望まれるとした。さらに、経営のわかる臨床検査技師の必要性を強調されました。
 最後に、元米国ケネディー大統領の有名な就任演説を引用し国を病院に読み替えて、「病院が自分に何をしてくれるのかを問うのではなく、自分が病院に何ができるかを問いなさい」の言葉が印象的でした。
 伊藤氏は、『医療関係者の集い』の20年間を振り返った。21年前、三浦雅一氏(昭和58年生物学科卒)北陸大学薬学部教授と「医療業界に関わる東邦大学卒業生をまとめ、お互いに切磋琢磨できるような集いを作ろう!」と盛り上がったことが、集いが始まる端緒となったとのエピソードを紹介され、第1回からの講演者について紹介と思い出を語られました。また、集いの運営をサポートしている幹事会のメンバーについても、紹介されまれました。「集い」の当初からの関係者が多数出席しており、参加者の自己・他己紹介なども含め20年間を一気にレビューした思いの方も多かったのではないでしょうか。
 会場には、臨床検査分野の大先輩である、稲福全昌氏(昭和31年化学科卒、2009年春の叙勲にて瑞宝単光章・教育功労を受章)もご出席下さり、「これから若い人達の活躍とこの集いの発展がますます期待される」と励ましのお言葉を頂きました。
 戎野棟一先生の最終講義には、さらに多くの卒業生の出席の他、学内関係者も多数出席されて行われました。戎野先生はご自身の生い立ちから紐解かれ、人生の岐路を決めた恩師との出会い、本学化学科着任から36年間のエピソードや臨床検査技師課程を育てられた故・吉田光孝先生、内野圭吾先生(昭和31年化学科卒)との思いでなど、多数のスライドとともに、なぜ「化学」こだわったのかを熱く語られました。
 まとめのスライドにあった「金を残すは(下)、物を残すは(中)、人を育て残すが(上)」、科学技術は「鉄人28号」のコンセプトに示される、使いようによって人類にとって[善](福音)にも[悪](危険)にもなる!が強く印象に残りました。

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